技研は,平成18年7月1日,控訴人X及び控訴人バイオから, 本件特許権につき,その専用実施権の設定を受けたが,特許登録原簿に記載されて いない(甲13)。
したがって,その専用実施権の設定の効力は発生していない (特許法98条1項2号)。
(3) 控訴人応用技研は,平成18年8月1日,被控訴人との間で,本件ライセ ンス契約を締結し,本件ライセンス契約に係る契約書として「特許実施許諾契約 書」(甲1。
以下「本件特許実施許諾契約書」という。)
及び「特許実施許諾サブ ライセンス覚書」(甲2の1。
以下「本件覚書」という。)
を作成した。
ア本件特許実施許諾契約書には,要旨,次の記載がある。
(ア) 控訴人応用技研は,控訴人X及び控訴人バイオから許諾された本件発明に 係る小麦発酵抽出物(以下「本件抽出物」という。)
についての再実施許諾権付き 専用実施権及び独占的実施権に基づき,被控訴人に対し,本件発明の非独占的通常 実施権及び非独占的実施権を許諾する(2条(1))。
(イ) 被控訴人は,控訴人応用技研に対し,本件ライセンスの対価として,次に 定める金額を支払う。
a イニシャル(3条(1))
本件ライセンス契約の締結日から30日以内に,本件覚書において定められた金 額を支払う。
b 実施料(3条(2),(3))
被控訴人商品を被控訴人が自ら販売したときは,被控訴人は,控訴人応用技研に 対し,実施料として「正味売上高」の2%を,各暦年半期終了後2か月以内に消費 税を加算の上,本件特許権の消滅の日まで毎年支払う。
債務が確定
地方自治法は,普通地方公共団体の会計事務について,予算執行機関から会計機関を分離し,前者は普通地方公共団体の長がこれを行うものとし(同法149条2号),後者は出納長がこれを行うものとした(同法170条1項)。この役割分担は,出納の執行を普通地方公共団体の長から職務上独立した機関の責任の下に一元的に行わせ,収支に関する命令機関と執行機関を分離することによって,事務処理の公正(厳正な会計事務)を確保することを目的としている。 なお,出納長は,もとより普通地方公共団体の長の補助機関の一であって,普通地方公共団体の長が,支出を命令し(同法149条2号,232条の4第1項),会計を監督する権限を有している(同法149条5号)ことから,この長の会計監督権に服するが,出納その他の会計事務の執行については独立の権限を有し,当該事務の執行について普通地方公共団体を代表する。 そして,地方自治法232条の4の規定は,経費の支出についての支出命令審査権に関する規定であり,同法170条2項6号の「支出負担行為の確認」とは,同法232条の4第2項の規定を受けたもので,普通地方公共団体の長から支出の命令を受けた場合において,当該支出に係る支出負担行為が法令又は予算に違反していないこと及び当該支出負担行為に係る債務が確定していることを審査,確認することをいう。そして,出納長の関与の範囲ないし権限は,法令や予算との整合性や必要な書類の不備がないかなど形式的な事項を審査することに尽きるのであって,実質的な支出の当否について判断ができるものではない。
(ウ) 解約
a 被控訴人応用技研は,被控訴人が3条に定める実施料等を支払わないときは, 控訴人応用技研に対して2か月以上の期間を定めて催告した上で,書面をもって本 件ライセンス契約を解約することができる(11条(1)二)。
b 被控訴人は,本件ライセンス契約締結後,経済事情その他の著しい変化によ り,被控訴人の合理的努力にもかかわらず,本件発明の実施による利益を全く期待 できなくなったときは,控訴人応用技研に対し,書面をもって本件ライセンス契約 の解約を申し入れることができる(11条(2)四)。
(エ) 本件ライセンス契約は,中途解約されない限り,契約締結日から平成20 年7月31日まで有効とする。
ただし,契約満了日の2か月前までに,控訴人応用 技研若しくは被控訴人から期間満了による解約の申出又は延長後の契約内容の改定 の協議の申出がない場合には,自動的に同一内容にて1年間延長される(12条)。
イ本件覚書には,要旨,次の記載がある。
(ア) 本件ライセンス契約3条(1)に定めるイニシャル金額については,被控訴 人が販売する化粧品一品目に付き200万円(別途消費税)とする。
但し,本サブ ライセンス覚書4(2)(判決注:4(4)の誤記である。)
に基づき,被控訴人が販売 する化粧品一品目に付き50万円(別途消費税)に減額する(3項(1))。
(イ) 被控訴人は,控訴人応用技研に対し,前項の金員を,本件ライセンス契約 締結日から30日以内の日に60万円,以降,毎月末日限り10万円ずつ24回に 分けて,それぞれ消費税相当額を加算して支払う。
なお,上記イニシャル支払の規定は,本件ライセンス契約が終了した後も,すべ ての支払が終了するまで有効に存続する(3項(2))。
(ウ) 被控訴人が控訴人応用技研より購入する本件抽出物の年間予定数量は,1 0,000mlとする。
なお,被控訴人が購入する年間予定数量が増減する場合には, 被控訴人及び控訴人応用技研は実施料率等について別途協議して改訂できるものと する(4項(4))。
(4) 被控訴人は,控訴人応用技研から本件発明1の実施品である本件抽出物を 合計2020ml購入し,本件抽出物を配合した被控訴人商品6品目を製造・販売し た。
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